ミライステラスの想い
私たちが小さい頃、心を和ませてくれた故郷の美しい棚田。それは私たちの日常の風景であり、日本の歴史と文化の象徴でした。しかし、時間とともに、その美しい風景は失われつつあります。驚くべきことに、過去20年で30%の棚田が失われてしまいました。
その心に残る風景を、未来の子供たちにも残したい。その一心から、私たちは「ミライステラス」を生み出しました。名前は、未来(ミライ)と棚田(ライステラス)を組み合わせたもの。私たちの原点、そして願いは、この大切な遺産を未来へと繋げ、一緒に棚田の未来を守る仲間を増やしていくことです。
私たちは皆さんとともに、失われゆく棚田の風景を守り続けたい。一緒に、次の世代にもこの美しい風景を残しましょう。
VISION
棚田農業が抱える3つの課題
課題 1
高齢化による担い手不足
課題 2
生産効率の悪さ
課題 3
近年の社会情勢の影響による農業資材の高騰による農業経営の不安定化
昔々、日本のある場所に、美しい棚田が広がっていました。この棚田は、ただのお米を作る場所ではありませんでした。それは「日本の原風景」として、歴史的な風土や文化の中心でした。
しかし、時が経つにつれ、この美しい棚田は少しずつ失われていきました。過去20年間で、その3分の1もの棚田が消えてしまったという現実。そして、毎年その数は減少しています。大型機械が使えない地形、収穫量の低さ、高齢化...これらは、棚田農業の深刻な課題として存在しています。
このままでは、美しい棚田の風景は、ただの昔話となってしまうかもしれません。私たちが子供たちや孫たちに伝えることができる日本の文化や風景が失われてしまいます。
だからこそ、私たちは立ち上がりました。この美しい風景と文化を、次の世代にも残すために。私たちは、日本の棚田を守り、未来へとつなげていく決意をしています。
棚田の持つ多様な機能
01
お米や野菜を生産するための
「食糧生産の役割」
02
雨水や川水などを溜めるための
「保水の役割」
03
大雨などによる洪水を受け止めるための
「洪水調整の役割」
04
斜面地の土砂崩れなど人里への
災害を緩和するための
「国土保全の役割」
05
棚田にはたくさんの動物や植物などが
多様に生息している
「生態系保全の役割」
06
棚田の自然に触れることでの癒しや
農作業を通した運動による
「健康休養の役割」
棚田が失われるということは、これらの多くの機能が失われてしまうということ。
かつて、私たちの始まりの地である長崎県佐世保市鹿町町口ノ里地区には、美しい棚田が広がっていました。それはただの田んぼではなく、多くの機能と役割を持つ大切な場所でした。しかし、時が経ち、この棚田は危機に瀕していました。
10年以上前、私たちがこの地に足を踏み入れた時、地域の人々は「ここもあと10年もすれば無くなる」と心配していました。私たちは、その言葉に動かされ、この地域の棚田を守るための活動を始めました。
しかし、戦いは容易ではありませんでした。毎年「今年で稲作はお終いにする」という地域の方々の声が聞こえ、この地域だけでも、平均10000㎡を超える速さで田んぼが消え続けています。
この棚田が失われることは、私たちが失う多くのものを意味します。私たちは、この地域の棚田の未来を守るために、今も戦い続けています。
なぜ、棚田は衰退しているのか?
かつての農業は、大地と人の手との繋がりを大切にしていました。しかし、時代は変わり、現在では、最大の収穫を目指すための高効率農業が主流となっています。田畑を見れば、大型機械が行き交い、品種改良を経た作物が栽培されています。これにより、短期間での収穫が可能となり、食糧供給は安定しています。
しかしながら、ある種の農業はこの効率追求の流れから逸脱しています。それは、棚田の農業です。山を削って作られたこの独特な地形は、大型機械の導入が困難で、手作業が不可欠です。水の管理や除草作業など、多くの作業が手で行われます。
この手間のかかる農業は、効率を追求する現代とは異なる価値を持っています。確かに、収穫量は少ないかもしれません。しかし、そこには、人と大地との深い繋がりや、自然との共生の美しさが存在します。
かつての日本の風景には、山々に刻まれた棚田が続いていました。その美しい景色は、日本の象徴的な存在でした。しかし、現代の市場の動きの中で、単純に量が求められるようになりました。棚田だけの収穫量では、他の農場との価格競争で不利になることも。そこで、一部の棚田農家は、ブランド化という新しいアプローチを取り入れました。彼らは、高品質な農産物を生産し、その独自性を訴求する戦略を採用しました。
しかし、それは容易な道ではありませんでした。ブランド化には、特定の技術や知識、さらには投資と労力が求められました。多くの棚田農家は高齢化の影響を受け、この変革についていけない現状がありました。彼らの中には、「次世代に農業を選ばせたくない」という思いを抱く者も多く、若い世代は都市部へと流れていきました。
一方、「棚田100選」や「オーナー制度」といった新しい取り組みが始まりました。これにより、一部の棚田は再び活気を取り戻しました。しかし、多くの棚田は高齢化の壁に打ち勝てず、衰退を避けられない現状となってしまいました。
日本にある「棚田」を未来へと繋いでいく仕組みを創りたい
日本の美しい風景の中に、「棚田」という貴重な宝物があります。これは単なる田んぼではありません。棚田には、先人たちの知恵と情熱、そして長い歴史が詰まっています。
しかし、この棚田を維持するためには、次々と人の手が必要です。人々が関わり続けることで、土地独特の文化やコミュニティが生まれ、生態系や地域のつながりが守られてきました。このコミュニティは、「自給自足のシェアリング」という取組みを通じて、地域住民だけでなく、訪問者や参加者たちとの交流を通じてさらに豊かになっています。
私たちの使命は、ただ保存するだけではありません。次世代に棚田を引き継ぐための新しい仕組みを作ること。そして、この「自給自足のシェアリング」のコンセプトを核に、現代の技術を活用して全国の棚田に広げることを目指しています。
この取り組みは既に、ミライステラスのある口ノ里棚田で実を結びつつあります。退職を考えていた地域の人々から棚田を託されるようになりました。私たちは、その信頼を大切にし、さらなる循環とコミュニティを築き、現代技術を駆使してそのネットワークを拡張していきたいと思っています。
今、私たちはあなたの力を求めています。私たちの想いに共感し、一緒に棚田の未来を築いてくれる仲間を探しています。
最終的には、この活動が日本全国の棚田に広がり、全ての棚田が新しい息吹で輝くことを夢見ています。
活動写真
〜ミライステラスでの活動の様子をちょっとだけご紹介〜
農業研修会
たけのこ掘り
蜂蜜取り
収穫体験
泥リンピック
かまどで炊飯
企業理念
〜人と自然の調和のとれた世界を創る〜
私たちミライステラスが掲げる使命は、「人と自然の調和のとれた世界」を創出することです。日本の長い歴史の中で、私たちは常に自然とともに暮らしてきました。ところが、経済の急成長に伴い、森林の伐採や水質の汚染などの環境問題が増えてきました。この現状を鑑みて、令和の時代には、人と自然が共生する豊かな暮らしを再び取り戻すことが求められています。
私たちは、棚田を中心に「土からの収穫、食べる喜び、そしてその後の循環」の完全な自然サイクルを体験できるプログラムを提供しています。この活動を通じて、棚田の関係人口を増やし、人と自然が調和し共生する新しい世界の実現を目指しています。私たちの「自給自足のシェアリングエコノミー」やこれからの取り組みは、棚田のコミュニティと、その豊かな自然を次世代にも継承するためのものです。私たちは、真の意味で人と自然が共生する未来を目指して取り組んでいます。
会社概要
会社名 | 株式会社ミライステラス( MIRAI s TERRACE ) |
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代表者 | 代表取締役 社長 前田 晴郎 |
本社所在地 | 〒859-6203長崎県佐世保市鹿町町口ノ里491番地1 |
活動開始 | 2014年(平成26年)10月14日 |
設立 | 2022年(令和4年)3月28日 |
事業内容 | 自給自足のシェアリングエコノミー 農作物加工品の販売 |