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2022年12月過去レター。

2022年12月過去レター。

Kitchen Studio N サブスクリプション 12月分のお届けです。   いつもお世話になっております。 大変お待たせ致しました。 2022年最後の定期便です。 今回はレストランクオリティのラインナップになっております。 (品数は少ないですが、送料抜きでもお店で出したら¥30,000近い内容です。)   以前サービスし過ぎて猛省した割には、全然反省した痕跡がありませんね。はい。   それでは今回のお品書きです!       ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~   menu   花房和牛のローストビーフ モモ肉のパストラミ風 塩麹仕立て ×2p   花房和牛のコンソメ バラ肉とミライステラスの大根のポトフ仕立て ×2p   ミライステラスの玄米とモリモリ野菜のリゾット ×2p   ミライステラスの無農薬サツマイモのポタージュ ×3p   ナチュラルエッグラボの卵を使用した究極バスクチーズケーキ ×1ホール       ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~     以上のラインナップです。         それでは解説始めますね!   ・花房和牛モモ肉のロースト パストラミ・塩麹仕立て     遂にやっちゃいましたね、塩麹。 先月もポークで塩麹漬けをやったのですが、実はこの為の予行演習でした。 レストランで塩麹はお出しした事が無かったんですよね。 フレンチ原理主義者たちから見られたら異端審問会議にかけられて火炙りにされそうな案件です。 それぐらい御法度ですが、今の私はノージャンルの人間なのでルール無用のラフプレーが認められます。 むしろレストランで花房和牛について思う節がありまして。 それは「実は和のアプローチがメチャ合うのではないか?」という予感がしてたんですよ。 (とは言っても「引き算のアプローチ」では無いのですが。) この花房和牛、米と豆腐を食べて育つんですよ。 絶対、麹が合うんですよ。 しかも体脂肪が低い肉なら分解するタンパク質が多いので、美味いに決まってるんですよ。 (体脂肪が多い肉で塩麹を使用しても効果はそこまで見込めません。) なので今回、私も初めて塩麹仕立てにしました。 まずは花房和牛モモ肉を捌き、塩麹に漬け込んで4日寝かせます。 そしてエクストラオリーブオイルと、たっぷりのブラックペッパーを刷り込んで芯温63℃約1時間ロースト。 その後、急速冷却して出来上がりです。 厚みがある所はロゼに仕上げています。 薄い所は火がビアンキュイで入っていますが、それはそれで大変美味しいです。 あ、ちなみに色が暗い紫や黒っぽい色でも全然大丈夫です。 何故ならそれが「自然な色」だからです。 酸素とミオグロビンが結びついて発色した後は必ず黒くなります。 逆に「ずっとピンクのお肉」って薬品的なヤバさしか感じませんね笑 冷蔵庫で1日自然解凍して極薄にスライスしてサラダやサンドウィッチ等にしてお召し上がり下さい。 ちなみにパスタやボイルしたジャガイモに乗せて、ほんのり温めてもとても香りが良く美味しいです。 (火を入れすぎるとパサついたり固くなるのでご注意を。)   尚、完全無添加なので解凍後はその日のうちにお召し上がり下さい。                       ・花房和牛のコンソメ・バラ肉と畑のタイコンのポトフ仕立て     皆さん、コンソメってご存知ですか? 世の中の90%の以上の方が顆粒状のインスタントを「コンソメ」と思っている事でしょう? 実はあれ。 フランス料理の中でも最上位の料理でして。 「まさか!あんなのただのスープじゃん!」と言われそうなんですが、正真正銘の宮廷料理です。 庶民が飲むには手間と原価と技術が掛かり過ぎてるんですよ。 では早速解説して行きますね!         ~下拵え編~ 今回のルセットは花房和牛のバラ肉を塩漬けするところから始まります。...

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2023年11月分 過去レター。

2023年11月分 過去レター。

11月分のキッチン・サブスク購入、ありがとうございます!!!     初登録された方も有難うございます! 改めて書きますが、「価値を共有できる方」限定の完全お任せサブスクになっていますので、内容やボリュームも毎回変わります。 敢えて1つだけ書くとしたら「確実に値段以上の価値を共有する」という事だけです。 なのでB級グルメ的な感じや、ビストロ的なお惣菜の時はボリュームが増えますし、超1級の食材が少量入っている事もありますので、そこの所だけはご理解頂けると助かります。 そして「お客さんと業者」という関係性では味気なく面白味に欠けるので、もっと近い関係性であろうと思っております。色んなことを手掛けていますが、SNS(特にInstagramのストーリー)にて生の状況を実名スケルトン状態で発信しておりますので、もしご要望等があれば、もしくは何となくメッセージを送って頂いても可能な限りお応えもしていますので宜しければ。   さて。 今回のお品書きです。   menu   ・花房和牛・バラ肉のハヤシライス×4P   ・旬のキノコのポタージュ×3P   ・イギリス風フィッシュパイ×2P   ・長崎県産ポーク・ショルダーの塩麹マリネ 白ワインブレゼ×2P   ・贅沢カタラーナ×2P     以上です。     前回が送料抜きで25,000万円近くになっていましたので猛省しておりました。 なので今回は2万円ぐらいです(?)   では解説していきますね!   花房和牛のハヤシライス   花房和牛の解説を近々しないと思っているのですが別紙に軽く作りましたので目を通して頂きたいと思います。 本当はメチャメチャ内容が濃いので経産牛から解説書を作らないといけないんですよね。 なのでそちらは追々作ります。 今回は1頭買いしたバラ肉を使用しました。 そしてハヤシライスというのは派閥がありまして「デミグラスソースを入れるか・入れないか」という二大政党に分かれます。 恐らく私の肌感覚では「デミグラスソース入れる派」が一般的に多数派だと感じているのですが、古典フランス料理の概論的に考えるならば私は「入れない派」です。 むしろ「入れる」という選択肢は考えた事もありません。 というのもフランス料理ガチプロのソース概論的な考えなのですが、「デミグラス」とはたぶん「ドゥ・ミ・グラス・ソース」の事であると解釈しています。 [demi-glace-sauce]が綴りとなります。 「ドゥ・ミ」はよくエスプレッソを飲む時に「デミタスカップ」って小さなコーヒーカップをご存知ありませんか? 要は「半分」という意味です。 「グラス」は「氷」という意味ですが、ゼラチンで煮凝りになる様子です。 つまり「半分に詰めた濃い目のソース」というニュアンスになります。   では一体なのを詰めたのか? それはフォン・ド・ヴォーです。 フォン・ド・ヴォーを6分の1程まで水分を飛ばし詰めると「グラス・ド・ヴィアン」(肉の結晶)になるのですが、私の感覚ではこの過程の途中で所謂広義のデミグラスソースの様な状態になると考えています。 なのでデミグラスを入れるとそれはもはや「デミグラスライス」であって「ハヤシライス」の意味が全く分からなくなり、デミグラス無しで作らなければ何を以てハヤシライスをハヤシライスたらしめているのか? デミグラスを入れる事により、そのアイデンティティが薄まると感じるのです。 まぁ確かに美味しくはなるんですよ。そこは否定しません。解り易い美味しさがあります。しかしながら解り易さに頼らない、素材を絞りバランスを楽しむのも楽しみ方の一つではないかな、と思っています。(デミグラス系はまた別途改めて作りましょうかね!)   まぁ長々と書きましたが、要は「デミグラスを入れるのは道理で考えると何となく気持ち悪く邪道な気がする」という事です。 色んな王道実力派のシェフの方々のレシピも見ましたが、やはりデミグラスを入れる人は見当たらなかったので同じような考えかもしれませんね。   さて作り方なのですが、今回は水分がほぼ赤ワインです(!?) 前回の原価高騰の反省は全く活かされていませんね。 僕の先輩が言ってました。「反省とは【繰り返す事】である」と。。   なので今回のハヤシライスは色が明るく(赤ワインは煮込むと色が飛びます。メチャクチャ煮詰めれば別ですが。)、大量の赤ワインが入っているので酸味があるのが特徴です。気になる方はハチミツ等を加えるとまろやかになります。   食べ方は袋ごと湯煎で10分ほどで解凍できますので、温かいご飯と一緒にお召し上がり下さい。   お好みでアレンジできますが、個人的にはオムハヤシにして食べるのがオヌヌメです。 卵と赤ワインの風味が最高に合うのです。 この延長線上の料理がムーレットというお料理ですね。   キノコのポタージュ ほぼキノコ・オンリーで仕上げました。 ジャガイモもタマネギも入っていないのでキノコを存分に楽しめます。 ナメコのヌルヌルが良い仕事をしています。 ポイントはキノコの炒め方です。 香りを極限まで引き出しながら炒めるにはプロなら知ってるテクニックがあるんですけど、簡単過ぎてあんまり教えたくないんですが知りたい方がいればライブ配信で解説やりますんでSNSにメッセージ入れて下さいませ。   食べ方は袋ごと湯煎で10分ほどで解凍できます。濃度を濃い目に仕上げていますので牛乳で少し伸ばし、お好みで塩・胡椒で味を整えてお召し上がり下さい。   アレンジが効くので粉チーズを加えながら加熱しても美味しいですし、パスタソースやリゾットにしても大変美味しいです。   イギリス風フィッシュパイ これはレストランハルビンの料理です。 三菱の関係でイギリス人のお客さんも多かったので、彼らの足跡の様なものですね。 今回はお魚に平戸の天然ナベタンを使用。 ナベタンは加熱すると滑らかな舌触りと甲殻類のニュアンスが出る、高級魚も真っ青の美味しいお魚です。 これがジャガイモのピュレと相性が実に良いのです。 パンに塗って食べても美味しいですよ。 袋ごと湯煎で10~15分、その後チーズを振りかけてトースターやオーブンでこんがり焼いて熱々をお召し上がり下さい。           ポークショルダーの塩麹マリネ 白ワイン・ブレゼ   シチューではありません。(ここ重要!) 「ポークをフォークナイフでカットしながらワシワシと食べてほしいなぁ」と思ったので柔らかく煮るタイプでは無く、塩麹で柔らかくして蒸し上げました。 ソースはたっぷりの白ワイン・白菜・タマネギ。その水分と生クリームとバターの乳脂肪を繋ぎました。...

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サブスク:過去レター 2022年10月分。

サブスク:過去レター 2022年10月分。

サブスクご登録ありがとうございます。   初めましての方は「初めまして。」 面識のある方は「お世話になっております。」 今回、自分は初めて料理のサブスクリプションを提供します。   このサブスクは基本的に私と面識があったり、FacebookやInstagramで接点があったり、「人と人の繋がり」の上に成り立つと考えています。   なのでどちらかといえば「お店とお客さん」という関係では無く、もっと近い関係になると思い ます。 サブスクに関してメッセージを頂ければご相談の上リクエスト等にもお答えしようと考えていますので、お気軽にSNSでメッセージをお願い致します。 SNSは実名で運用していますので、毎日私が感じている事や現場の生の姿を配信しています。 (特にInstagramのストーリーはリアルタイムで更新します。)   もしご覧になった事が無い場合はチェックして頂けますと幸いです。     さて本題です。   「日常の中で、忙しくて中々手が込んだお料理は作るのは大変。 素材もできるだけキチンとした物で、 手が込んだお料理を簡単に手早くお家で食べたい。」     というのを自分も欲しかったので、やってみる事にしました。       メニューはなるべく皆様が親しみやすい内容にするつもりです。 ジャンルは特にこだわる事はしたいと思いません。 和洋中、その時々で色々試したいと考えています。 1つだけ条件として「どう考えても価格を超えた内容」にしています。 初回という事もあるのでスタンダードに、パスタやグラタンにアレンジできる物も入れていますので自由に遊んでみて下さい。 もしサブスクの人数が増えてきた時は豚や仔羊を半頭や一頭買いして使っても面白そうですね。 (増えれば、ですが。)   今回のお品書き       ・花房和牛の欧風カレー 2P ・花房和牛のボロネーゼソース 2P ・花房和牛の煮込みハンバーグ 赤ワインビネガーソース 2P ・キッシュ 2P ・ピーマンのポタージュ 2P ・パテとビネガーゼリーのセット 1set ・新作チョコレートのスイーツ 2P     以上です。   送料抜きで今回は通常販売価格¥25,000程度入っています。 初回なので張り切りました。 (自分でもちょっと入れ過ぎたと猛省しております...)           ①花房和牛の欧風カレー     花房和牛を一頭買いして捌き、スジをハーブと塩で柔らかく煮込んで使用しました。 ルーはタマネギとスパイスをオリーブオイルでキャラメルになるまで炒め、九州産の小麦粉で繋ぎました。 乳製品は香りをマスキングしてしまうので、バターは敢えて使っていません。 甘味・ほろ苦さ・フレッシュ感を加える為に、ミライステラスの棚田でお馴染みの前田さん家の無農薬チャンドラポメローをチャツネにして加えています。 湯煎で温める、又はお鍋に移して熱々にしてお召し上がり下さい。           ②花房和牛のボロネーゼソース   花房和牛を粗挽きで自作し、タマネギ・ニンジン・セロリ・ニンニク・トマトペーストと、卒倒する程の大量の赤ワインで仕込みました。 もはや合い挽き肉では無い時点で色々オカシイですが、もう引き返せないので原価なんて考えてはイケマセン。 高過ぎてもう2度とこんな贅沢なボロネーゼを仕込むことは無いと思います。 いわゆるミートソース的な存在ですが、フランス料理の技術でイタリア料理のニュアンスも加えているので何にでも自由に使えます。 キチンと手作りで1から仕込むミートソースなんて売ってませんからね。 適当に安いミンチと化学調味料と増粘剤を使えばお安く簡単にモドキは作れるんですが、やっぱり本物の味は知っておきたいですね。 こちらは湯煎で溶かしてからお使い下さい。 ケミカルな分かり易い単調な味とは対照的な、滋味と深みのある味わいに仕上げています。 パスタに和えたり、グラタン等に使っても美味しく召し上がれます。     ③花房和牛の煮込みハンバーグ 赤ワインビネガーソース   こちらも花房和牛で粗挽きミンチを自作し、九州産生クリームとナチュラル・エッグ・ラボさんの卵と一緒にハンバーグにしました。 (エッグラボさんの卵は人気があり過ぎて現在一般購入は1ヶ月半待ちの状態です…) もう説明するのが野暮ってもんですよ。最強コンビです。混ぜるな危険です。 そしてこれまた今回も赤いソースですが、こちらは赤ワインビネガーソースです。 自家製ベーコン(サラッと書きましたが3週間かけて仕込む無添加自家製です。)とキノコを香りが出るまでシッカリ炒め、赤ワインビネガーを加えて強火で酸味を飛ばして旨味を残します。それからトマトで水分調整していくソースです。 あまり一般的にビネガーソースというのは見かけないと思いますが、とても良い物なので是非知って欲しいソースです。 重厚な旨味とキレの良さが同居しているのが特徴です。 こちらは湯煎で15分ほど温めてお召し上がり下さい。   ※煮込みハンバーグは最初に香りを付けるために両面を焦がし気味に焼いてから煮込んでいます。 もし、どうしても焦げが気になる方は仰って下さい。   ④キッシュ...

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素材解説:花房和牛について。

素材解説:花房和牛について。

花房和牛について。   花房和牛は南島原加津佐で花房牧場の綾部さんが 循環型農業・抗生物質不使用で育てる年産1~2頭の幻の経産牛です。   普通、経産牛というものは「硬い」「臭い」「脂が黄色い」と言われ廃牛扱いなのですが、本来の牛肉は未経産牛よりも経産牛の方が味が濃く、香りがより牛らしくなります。 (欧州では経産牛が最高クラスのお肉になる為、未経産牛にあまり興味がありません。)   理由は様々ありますが主に ・旨みが強くなる ・脂肪融点低下 ・香りの変化(より牛肉本来の香りになる)   の3点がハッキリ出てきます。   まず「旨みが強くなる」についてなのですが、動物は月齢が高くなるにつれて血中の乳酸が多くなります。 (ミオグロビン増加によりアミノ酸値が上昇、ヘモグロビンよりミオグロビン優位の為、血液が嫌気的環境下に寄って行くため乳酸が発生するのではないか?と私は考察しています。) ※西洋料理において乳酸が多くなる程に旨みが強く、価格や価値が高くなる傾向があります。 例)チーズ・パン・ワイン・肉類 尚、ミオグロビンが増加することにより濃い赤身になります。   ここで少し解説を入れますが、A5ランク等の牛は全て未経産牛です。 (未経産牛しか農協の規格上、A5にはなれません。) つまり全ての牛が月齢が若過ぎて味が乗っていない事になります。   しかも「旨味成分」とは「水溶性アミノ酸」の事を指します。 これは筋肉中にしか存在せず、脂肪の中にアミノ酸は有りません。 つまり霜降りにすればするほど「旨味成分が減る」と言う事です。 しかも月齢が若いとなると、筋肉中の旨み成分も少ない事になります。   もうお気付きですよね?霜降り肉に「味がほとんど無い」という事に。   それでは「A5ランク」とは一体何なのかザックリ解説します。             「A5ランクとは?」     「A5ランク」という格付等級を一般的に牛肉のランク付けに耳にすると思いますが、これに味の評価は入っていません。 A5の「A」は「歩留等級」と言って、「どれだけ商品になるお肉が効率的にとれましたか?」という指標です。   A5の「5」は「肉質等級」といい、これは「牛肉の色沢」「牛肉の締まりときめ」「脂肪の色沢と質」「脂肪交雑(脂肪の入り具合)」の4つを総合的に評価したランクです。 要は「見た目の検査」です。 味の評価はここにもありませんね。「締まりとキメ」は分かりますが…。 (味の評価のことを「官能検査」と言います。)   「霜降り肉を食べるのがキツくなってきた」と言う人がずいぶん増えましたが、そりゃそうです。 部位によっては体脂肪50%を超えるわけですから、肉入りの脂を食べる事に等しいのです。   ちなみに出産をすると脂肪融点温度が低下します。 そして体臭も牛肉本来の香りに変化していきます。   要は「経産牛は脂身もサラッとして食べやすく赤身の味が濃く、香りも良くなる」という事です。   ただし、月齢が上がるに従い「加齢による硬化」が起こるので、焼くのに技術が必要になります。 (霜降りは半分脂肪なので焼き過ぎても柔らかいが、赤身は焼き過ぎると硬くなるのと、月齢の関係で更に硬くなり易い)   花房和牛の育つ環境   ・九州産の資材を使ったオリジナルブレンドの発酵飼料。 可能な限り長崎の中で材料を調達して(豆腐粕等)、健康的な食事を与えています。 自家製飼料の社会的・経済的功績が認められ2022年秋の褒賞にて「黄綬褒章」に選ばれました。       ・循環型農業の実践。 地域の農家産たちと約70戸と連携し稲藁を集め飼料や敷材等に活用。 出てきた牛糞は自家製発酵肥料にして農家さん達に循環。 色々な農家さんを見てきましたが1農家が70戸もの協力を得て、しかも循環型農業を実践しているのは花房牧場以外にまだ見たことがありません。   ・通常の2倍以上のスペースで飼育・抗生物質不使用。 霜降りを育てるためには「運動されては困る」ので(痩せるのと筋肉が固くなる為)、狭いゲージに入れます。 そこに高カロリー高脂肪の餌を与えビタミンA欠乏(通称:A欠)させます。 ビタミンA欠乏をすると脂肪が分解されないので効率よく脂肪が蓄えられます。 勿論、加減を間違えると失明や疾患したりするので、そうならないギリギリを狙うのが腕の見せ所となっていますが、果たしてそれが牛や人間のためになっているのかは甚だ疑問です。 そして狭い所にゲージが集中しているので病気が発生した場合「横型感染」してしまうので対策として抗生物質を与えなければなりません。 (つまり霜降り肉=ゲージ飼い+抗生物質でワンセットです) 最初にサラッと書きましたが「抗生物質不使用」は普通出会うことはできません。 それをするには「広いスペース」と「徹底した掃除」をするしか無いからです。 花房牧場の牛舎は何度もお伺いした事がありますが、全く匂いがせず牛舎の中で食事ができるレベルです。 (普通の牛舎はかなり臭くて、とてもでは無いですが同じことはできません。)   ・名水100選の島原の湧水をポンプアップして与える。 動物の体質や味を決定付ける要素として「水」はとてもインパクトが大きいです。 私も様々なお肉を扱ってきましたが(G20で提供されるお肉や三つ星で使われるお肉など)、餌や環境を整えても水で決定的な差が生まれます。 (まぁ考えてみれば体の8割近くは水で出来ているので当然と言えば当然なのですが。) その飲み水をミネラルたっぷりの100%天然の湧水を与えています。 島原の地の利を最大限活かしています。   ・吹き上げる潮風が当たる環境 フランス・モンサンミッシェルに潮を含んだ牧草を食べさせる「プレ・サレ」という仔羊がいるのをご存知でしょうか? 教会の下に潮の満ち引きで好塩性植物しか育たない一帯に75日以上放牧する世界最上級の仔羊です。 フランス人が「一生に一度は食べたい」と言うフランス人にとってアイドル的存在プレ・サレ。 この仔羊の美味しさの1番の要因は海水のミネラル分です。 特に赤身肉には影響が大きく、劇的に味に変化をもたらします。 この仔羊が育つ環境と同じように、花房和牛の牛舎は常に吹き上げる潮風に当たっています。...

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