過去の届いたメニュ―例(2023年11月)
このメニュー例は、過去にお届けした商品ラインナップです。
過去の料理一覧
花房和牛シリーズ
スープ
カレー・ハヤシ等
パスタソース・ペンネ
グラタン・リゾット・キッシュ
その他お惣菜
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デザート類
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2022年12月過去レター。
Kitchen Studio N サブスクリプション 12月分のお届けです。 いつもお世話になっております。 大変お待たせ致しました。 2022年最後の定期便です。 今回はレストランクオリティのラインナップになっております。 (品数は少ないですが、送料抜きでもお店で出したら¥30,000近い内容です。) 以前サービスし過ぎて猛省した割には、全然反省した痕跡がありませんね。はい。 それでは今回のお品書きです! ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ menu 花房和牛のローストビーフ モモ肉のパストラミ風 塩麹仕立て ×2p 花房和牛のコンソメ バラ肉とミライステラスの大根のポトフ仕立て ×2p ミライステラスの玄米とモリモリ野菜のリゾット ×2p ミライステラスの無農薬サツマイモのポタージュ ×3p ナチュラルエッグラボの卵を使用した究極バスクチーズケーキ ×1ホール ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 以上のラインナップです。 それでは解説始めますね! ・花房和牛モモ肉のロースト パストラミ・塩麹仕立て 遂にやっちゃいましたね、塩麹。 先月もポークで塩麹漬けをやったのですが、実はこの為の予行演習でした。 レストランで塩麹はお出しした事が無かったんですよね。 フレンチ原理主義者たちから見られたら異端審問会議にかけられて火炙りにされそうな案件です。 それぐらい御法度ですが、今の私はノージャンルの人間なのでルール無用のラフプレーが認められます。 むしろレストランで花房和牛について思う節がありまして。 それは「実は和のアプローチがメチャ合うのではないか?」という予感がしてたんですよ。 (とは言っても「引き算のアプローチ」では無いのですが。) この花房和牛、米と豆腐を食べて育つんですよ。 絶対、麹が合うんですよ。 しかも体脂肪が低い肉なら分解するタンパク質が多いので、美味いに決まってるんですよ。 (体脂肪が多い肉で塩麹を使用しても効果はそこまで見込めません。) なので今回、私も初めて塩麹仕立てにしました。 まずは花房和牛モモ肉を捌き、塩麹に漬け込んで4日寝かせます。 そしてエクストラオリーブオイルと、たっぷりのブラックペッパーを刷り込んで芯温63℃約1時間ロースト。 その後、急速冷却して出来上がりです。 厚みがある所はロゼに仕上げています。 薄い所は火がビアンキュイで入っていますが、それはそれで大変美味しいです。 あ、ちなみに色が暗い紫や黒っぽい色でも全然大丈夫です。 何故ならそれが「自然な色」だからです。 酸素とミオグロビンが結びついて発色した後は必ず黒くなります。 逆に「ずっとピンクのお肉」って薬品的なヤバさしか感じませんね笑 冷蔵庫で1日自然解凍して極薄にスライスしてサラダやサンドウィッチ等にしてお召し上がり下さい。 ちなみにパスタやボイルしたジャガイモに乗せて、ほんのり温めてもとても香りが良く美味しいです。 (火を入れすぎるとパサついたり固くなるのでご注意を。) 尚、完全無添加なので解凍後はその日のうちにお召し上がり下さい。 ・花房和牛のコンソメ・バラ肉と畑のタイコンのポトフ仕立て 皆さん、コンソメってご存知ですか? 世の中の90%の以上の方が顆粒状のインスタントを「コンソメ」と思っている事でしょう? 実はあれ。 フランス料理の中でも最上位の料理でして。 「まさか!あんなのただのスープじゃん!」と言われそうなんですが、正真正銘の宮廷料理です。 庶民が飲むには手間と原価と技術が掛かり過ぎてるんですよ。 では早速解説して行きますね! ~下拵え編~ 今回のルセットは花房和牛のバラ肉を塩漬けするところから始まります。...
素材解説:花房和牛について。
花房和牛について。 花房和牛は南島原加津佐で花房牧場の綾部さんが 循環型農業・抗生物質不使用で育てる年産1~2頭の幻の経産牛です。 普通、経産牛というものは「硬い」「臭い」「脂が黄色い」と言われ廃牛扱いなのですが、本来の牛肉は未経産牛よりも経産牛の方が味が濃く、香りがより牛らしくなります。 (欧州では経産牛が最高クラスのお肉になる為、未経産牛にあまり興味がありません。) 理由は様々ありますが主に ・旨みが強くなる ・脂肪融点低下 ・香りの変化(より牛肉本来の香りになる) の3点がハッキリ出てきます。 まず「旨みが強くなる」についてなのですが、動物は月齢が高くなるにつれて血中の乳酸が多くなります。 (ミオグロビン増加によりアミノ酸値が上昇、ヘモグロビンよりミオグロビン優位の為、血液が嫌気的環境下に寄って行くため乳酸が発生するのではないか?と私は考察しています。) ※西洋料理において乳酸が多くなる程に旨みが強く、価格や価値が高くなる傾向があります。 例)チーズ・パン・ワイン・肉類 尚、ミオグロビンが増加することにより濃い赤身になります。 ここで少し解説を入れますが、A5ランク等の牛は全て未経産牛です。 (未経産牛しか農協の規格上、A5にはなれません。) つまり全ての牛が月齢が若過ぎて味が乗っていない事になります。 しかも「旨味成分」とは「水溶性アミノ酸」の事を指します。 これは筋肉中にしか存在せず、脂肪の中にアミノ酸は有りません。 つまり霜降りにすればするほど「旨味成分が減る」と言う事です。 しかも月齢が若いとなると、筋肉中の旨み成分も少ない事になります。 もうお気付きですよね?霜降り肉に「味がほとんど無い」という事に。 それでは「A5ランク」とは一体何なのかザックリ解説します。 「A5ランクとは?」 「A5ランク」という格付等級を一般的に牛肉のランク付けに耳にすると思いますが、これに味の評価は入っていません。 A5の「A」は「歩留等級」と言って、「どれだけ商品になるお肉が効率的にとれましたか?」という指標です。 A5の「5」は「肉質等級」といい、これは「牛肉の色沢」「牛肉の締まりときめ」「脂肪の色沢と質」「脂肪交雑(脂肪の入り具合)」の4つを総合的に評価したランクです。 要は「見た目の検査」です。 味の評価はここにもありませんね。「締まりとキメ」は分かりますが…。 (味の評価のことを「官能検査」と言います。) 「霜降り肉を食べるのがキツくなってきた」と言う人がずいぶん増えましたが、そりゃそうです。 部位によっては体脂肪50%を超えるわけですから、肉入りの脂を食べる事に等しいのです。 ちなみに出産をすると脂肪融点温度が低下します。 そして体臭も牛肉本来の香りに変化していきます。 要は「経産牛は脂身もサラッとして食べやすく赤身の味が濃く、香りも良くなる」という事です。 ただし、月齢が上がるに従い「加齢による硬化」が起こるので、焼くのに技術が必要になります。 (霜降りは半分脂肪なので焼き過ぎても柔らかいが、赤身は焼き過ぎると硬くなるのと、月齢の関係で更に硬くなり易い) 花房和牛の育つ環境 ・九州産の資材を使ったオリジナルブレンドの発酵飼料。 可能な限り長崎の中で材料を調達して(豆腐粕等)、健康的な食事を与えています。 自家製飼料の社会的・経済的功績が認められ2022年秋の褒賞にて「黄綬褒章」に選ばれました。 ・循環型農業の実践。 地域の農家産たちと約70戸と連携し稲藁を集め飼料や敷材等に活用。 出てきた牛糞は自家製発酵肥料にして農家さん達に循環。 色々な農家さんを見てきましたが1農家が70戸もの協力を得て、しかも循環型農業を実践しているのは花房牧場以外にまだ見たことがありません。 ・通常の2倍以上のスペースで飼育・抗生物質不使用。 霜降りを育てるためには「運動されては困る」ので(痩せるのと筋肉が固くなる為)、狭いゲージに入れます。 そこに高カロリー高脂肪の餌を与えビタミンA欠乏(通称:A欠)させます。 ビタミンA欠乏をすると脂肪が分解されないので効率よく脂肪が蓄えられます。 勿論、加減を間違えると失明や疾患したりするので、そうならないギリギリを狙うのが腕の見せ所となっていますが、果たしてそれが牛や人間のためになっているのかは甚だ疑問です。 そして狭い所にゲージが集中しているので病気が発生した場合「横型感染」してしまうので対策として抗生物質を与えなければなりません。 (つまり霜降り肉=ゲージ飼い+抗生物質でワンセットです) 最初にサラッと書きましたが「抗生物質不使用」は普通出会うことはできません。 それをするには「広いスペース」と「徹底した掃除」をするしか無いからです。 花房牧場の牛舎は何度もお伺いした事がありますが、全く匂いがせず牛舎の中で食事ができるレベルです。 (普通の牛舎はかなり臭くて、とてもでは無いですが同じことはできません。) ・名水100選の島原の湧水をポンプアップして与える。 動物の体質や味を決定付ける要素として「水」はとてもインパクトが大きいです。 私も様々なお肉を扱ってきましたが(G20で提供されるお肉や三つ星で使われるお肉など)、餌や環境を整えても水で決定的な差が生まれます。 (まぁ考えてみれば体の8割近くは水で出来ているので当然と言えば当然なのですが。) その飲み水をミネラルたっぷりの100%天然の湧水を与えています。 島原の地の利を最大限活かしています。 ・吹き上げる潮風が当たる環境 フランス・モンサンミッシェルに潮を含んだ牧草を食べさせる「プレ・サレ」という仔羊がいるのをご存知でしょうか? 教会の下に潮の満ち引きで好塩性植物しか育たない一帯に75日以上放牧する世界最上級の仔羊です。 フランス人が「一生に一度は食べたい」と言うフランス人にとってアイドル的存在プレ・サレ。 この仔羊の美味しさの1番の要因は海水のミネラル分です。 特に赤身肉には影響が大きく、劇的に味に変化をもたらします。 この仔羊が育つ環境と同じように、花房和牛の牛舎は常に吹き上げる潮風に当たっています。...
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