過去の届いたメニュ―例(2023年11月)
このメニュー例は、過去にお届けした商品ラインナップです。
過去の料理一覧
花房和牛シリーズ
スープ
カレー・ハヤシ等
パスタソース・ペンネ
グラタン・リゾット・キッシュ
その他お惣菜
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デザート類
ミラテラ☆kitchenブログ 〜Kitchen_Studio_N〜
伝統とは?
僕らの仕事で大切な事。それは意外と色んな仕事に共通する事が多くて。
この考え方は某職人の100%受け売りなのですが、「伝統」というものは、ただ昔をなぞらえて作るのであれば、それは単なる過去のものです。
言い換えれば「古くなっている」のです。
受け継がれたものを如何に理解し自分の血肉とし、リスペクトと共に己の解釈を書き加えて創造して行けるのか?
つまり、「伝統」を「今、創り出せているのか?」が重要なのです。過去や伝統におんぶに抱っこだけでは、それは敬意ではなく依存です。
そうなった時、それはブッツリと途切れる。
未来へ繋ぐ最低条件は、今の自分を書き加える「覚悟と勇気」です。それが無ければ、古くなってしまう。
その時点で伝統は、繋ぐものから縋るものへと退化する。
とても怖いんですよ。今の自分を書き加える行為は。
今までの伝統を愛していた人達から必ずしも受け入れられる事では無い。必ず批判や否定の対象になる。それを甘んじて受け入れ、「覚悟と勇気」を持って決断しなければならない。それでも何かに挑み、歯を喰い縛って前へ進む姿が道となり、歴史になり、生きた証になる。
ただし、「何か新しい事をやる」という意味では無いところが非常に難しい。
多分、「古くなってしまった」お店や会社、自治体はゴマンとあるでしょう。常に新しく在る為にはどうすれば良いのか?今日も今に自分を書き加えることが出来たのか?
ものづくりの職人としての考え方ですが、この自問自答が「仕事」であり、「生き方」や「人生」かも知れないですね。
添加物について。
ちょっと世の中、添加物が多すぎません?加工肉に関しては精肉より安いとか完全におかしいですよね。
その加工肉には働いている人達のお給料やら社会保険料やら梱包資材費やらデザイン料やら店頭販売マージンやら保管料やら運送料やら宣伝広告費やら原材料費やらetcが諸々乗っているはずなんですけど、なぜかお安い。
言いたい事も言えないそんな世の中ですよ。ポイズン。
「安さ」とは「何かの引き換え」に得ています。搾取される人もいるでしょう。リスクが高い何かを添加する事もあるでしょう。「分かりやすいおいしさ」が無ければ満足できない人もいるでしょう。
それは消費者が選択し、今の世の中のメインストリームの商品が出来上がっています。
でもね?
人間は「口から入れた物」でしか体はできないんですよ?
もう少し考えてから食べる物を選んだ方が良いと思うんですよね。むしろ「食べている物」で」「その人が分かる」のかも知れませんね。
もっと丁寧に、時間を掛けて作ったものを、手軽に手に出来る世の中にしたいものです。
バスクチーズケーキ、うまっ!!!
初めてバスクチーズケーキに挑戦したんですが、めっちゃ旨い!中のトロトロ加減と、エッジのよく焼き切ったコントラストのお陰で何処を食べても違う味なのも良いですね!これはもうチョイ研究してクオリティを上げてみましょうかね。しかし素材感が思いっきり出るので、こちらとしては力を発揮し易いスイーツでもあります。素材が国内最高クラスで揃えるので御注文を受けて1〜2週間後に発送の完全受注生産にしましょうかね。極上スイーツが完成してしまったな〜。
自己紹介 総括。
自己紹介はこの章で最後にしようと思います。なかなかまとまらない文章の上に細かい事が全然書けませんでしたが、追々小出しで書こうかと思います。他にも色んなチャレンジをしてきましたが、やはり自分の中で一番大きなウェイトを占めるのは「経産牛」「花房和牛」であり、それを基準として野菜や他の畜産等も見ています。生物は大まかに同じ法則の上に成り立っていて、原理原則から外れる事は無いからです。今現在、花房和牛は年産1頭のみで、完全に私しか購入できない形になっています。(ミシュランの星を持っていようが何だろうが買えない状況です。)しかしそれは、「地産地消」を盾にして安く買い叩いたり、「経産牛だから安くしろ」とか「見当違いの要求」に対し「NO」と言い続け、周りがアウェイの時から応援してたからと思っています。ブームが始まってから便乗してくる人は多いですが、リスクを取って苦難や苦境を一緒に乗り越えて来たから築ける信頼関係があると思うのです。
料理人にとって「唯一無二の食材」というのは喉から手が出るほど欲しいものです。しかしそれは間違い無く、人間同士の信頼関係でしか無く、一朝一夕でできるものでもありません。結局、食材も料理も「人」なんです。「人」が何かの「思想」を乗せて「何か」を生み出しているのです。それは人生の物語があり、そこに共鳴する人達が寄って来て、価値観を共有して行くのです。これから経産牛ブームが始まります。恐らく花房和牛は日本の経産牛のパイオニアの一つになるでしょう。10年以上の年月が掛かりましたが、ようやくやっと花が咲くかなと感じています。
興味がある方は是非一度、この花房和牛を食べて頂きたいです。「食べる事」「命を頂く事」「命の循環」「本当の美味しさ」などなど、たくさんの学びと気付きと発見があると思いますよ。
自己紹介 五島編②
思えばあの頃は睡眠時間3時間ほどであっちこっちに見学をしに行ってました。自分でも「無理が効くのは若い時だけ」という自覚がありました。どの分野においても、そのような「濃度の濃い時間を連続して集中的に詰め込む」という事をすると飛躍的に能力が伸びる事があります。長時間労働が良いとはいませんが、そのような経験をしないと「見えないもの」「掴めない感覚」は確実に存在すると思います。
さて。その時実際に見て回ったのは当時新築だった「解体工場」「最新のパプリカの水耕栽培ハウス」「五島牛牛舎」など普通は入ることも難しい場所も快く見学させて頂き、沢山の方々に引き合わせて頂きました。その時に私が発案したのが「五島・椿牛」です。椿は「和製オリーブ」と呼ばれるほどオレイン酸が豊富なので使わない手はないのですが、如何せん「サポニン」が多いので、牛がたべる量を間違えると泡を吹いて死んでしまうのです。なので論文を読んで解毒法まで提案してご提案させて頂きました。
が。
この時は色んな大人の事情で私が不在の時に普通の餌で(椿抜き)完成させてしまったらしいのですが、唯一の心残りでございます。名前だけ椿牛…
いつかガチ椿牛を完成させたいモノです。
自己紹介 五島編①
花房和牛と出会ってからコーン臭やストレス臭が分かる様になり、自然と霜降りは使わなくなりました。それから程なく「経産牛を再活用したい。」とJA五島の営業部長さんから打診があり、五島経産牛プロジェクトに加わる事になりました。
その時、自分は29歳。20代最後の挑戦でしたので力が入っていました。当時は月休1日で仕事をしていたので、仕事が終わると3時間睡眠で五島行きの船に乗りグワングワン頭の中が揺れながら現場に向かっていたのを覚えています。今やったら死にますねwちなみに当時は経産牛はただの廃牛的な扱いでしたので、このプロジェクトはJA五島のトップにはシークレットでコソコソとやっていました。(ここに書いて大丈夫?)見つかれば部長達の首が飛ぶというデンジャラス極まりないミッションです。福江港に着くや否やキャップ棒を被った部長達に手招きされ車に乗り込み、公民館に移動。そこで畜産試験場の方々と意見交換し、餌や月齢等を話し合ったと思います。その後はいろんなセクションを見学させて頂いて、本当にお世話になりました。園芸部長、元気にしてるかな?特に記憶に残っているのはパプリカのハウス栽培です。天井がセンサーで気温を感知して自動開閉し、水耕栽培で五島の土を砂漠化させない取り組みでした。今では五島のブランドになっていますね。肉厚で甘くて立派で美味しいんです。本当は怒られるんですが特別に採って齧らせて頂いたのですが、一生忘れないと思います。そんなこんなで五島に通う日々が始まるのでした…
自己紹介⑧霜降り和牛の育て方に疑問。
ここから結構センシティブな内容になるのですが、霜降り和牛の育て方ってあんまり知られてないんですよね。
ここでは軽く説明しておきます。
まず基本的に餌は濃厚飼料(麦やコーン)なのですが、必ず「A欠」をします。これは「ビタミンA欠乏」の事なのですが、A欠する事で脂肪が分解されずに筋肉間にサシが入っていきます。勿論情事では無いですが、病気や疾患が出る手前で止めるのが技術です。失敗すると失明等になります。個人的にここでもうすでに「?????」です。
次に必ずゲージ飼いです。運動するとシェイプアップして脂肪が減りますので、こちらが良いのです。運動しない事により筋肉が柔らかくなります。人間は肉を噛んだ時に噛み切れないと「硬い」と感じます。現代人の多くは「硬い」=「美味しくない」に繋がります。筋肉と脂肪が同じ柔らかさでないと理想的なテクスチャーになりません。
しかしゲージ飼いのデメリットに「横型感染」があります。病気が発生すると一気に感染しちゃうんです。なので抗生物質はワンセットです。
徹底的に掃除すればいいのですが、それでは人件費が高過ぎて牛肉代に転嫁されて高くなり過ぎてしまいます。餌をガッツリ食べさせるから元々高いんですよね。そこから更に高くなると消費者は買えなくなってしまいます。
そもそも動物って、こんなに脂肪が筋肉中に入る事って異常です。これでは「脂入りの肉」ではなく「肉入りの脂」です。
まだあるのですが、一旦ここで区切ります。
なかなかハードなことをしているんですよね。
その結果、仕上がった牛肉を食べる気には私はあんまりならなかったんです。
自己紹介⑦和牛の特性。
まず初めに断っておきますが、私は霜降り和牛を私は全否定するわけでは無いです。「食べ方」の問題です。
そもそも食文化が西洋と日本では違うのです。
食卓にフォーク・ナイフが標準装備のご家庭は少数派かもしれません。普通はお箸です。
脂身が少ないお肉は、肉汁をたっぷり含んだ状態で噛む事により美味しさが頂点になります。なのでブロックで焼いて肉汁を逃さない事にフォーカスされ、手元のフォーク・ナイフで口の大きさにカットして頬張る形が一番美味しい。その場合、赤身肉は油分が少ないのでバターとフォンを乳化したソースをかけて味を油絵のように重ねていきます。
一方霜降りは日本の食卓に最適化した解だと思っていて、箸で食べるには最初からスライスされていないと食べられないんです。しかも「少量で満足感を得る事」と、「切らなくても噛み切れること」が絶対条件です。そして日本料理は「引き算」という特徴があり、炭火等で余分な脂を落としながら焼く事でバランスを取れます。
なので食べ方次第では霜降りはとても美味しく、日本の文化にはとてもマッチしているんですよね。しゃぶしゃぶやすき焼きも同じ理屈になります。
赤身肉でしゃぶしゃぶやすき焼きをしたら悲惨な事になるのは容易に想像できますねw
逆に霜降り和牛のブロックステーキにバターの乳化ソースをかけて食べたら「脂on油」です。ワンポンド食べたら病気になりますw
なので、調理次第で味は優劣や甲乙がつけ難い。
何が問題なのか?というと「霜降りの育て方」が私は嫌いなのです。
これはかなり闇が深いので次回書きますね。
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